荒井
これから皆さんと一緒に第2回〇△□茶会を振り返り共有し、茶会の次に思いを向ける時間にしていきたいと思います。本日参加いただいている方々は、お茶会に参加された方がほとんどだと思いますので、ここからは、このプロジェクトに参加した人同士が体験を通して感じたことを、一緒に共有していきながら私たちはどこに向かっていけばよいのか探っていきたいと思います。
2017年にUDiが発足してから、金沢でユニバーサルデザインをどうやって広めていくのかを考えてきました。ゴールはとても広く、深く、遠い営みなので、簡単に答えが出るものではありません。では、何が手掛かりになるのか様々な活動をしている方の話を聞いたり、一方で私たち独自の営みとしてなにができるのか考えている時に、金沢の伝統・歴史・文化の観点から「お茶会」というキーワードが出てきました。その時は何ができるのか見えてはいませんでしたが、今回、第2回〇△□茶会を開催して本当に良かったと実感しています。
私自身ユニバーサルデザインという言葉がない時代から、障がいのあるシビアな方から、誰にでも開かれたデザインの答えを見つけ出す営みが必要だと気付き、ものづくりや建築の方々と協働で取り組みを行ってきました。その中で、お茶会というのは柔らかくて、深くて、これからどういうことが起こるのか、メンバーの一人として楽しみながら探り続けています。
私たちは、○△□茶会という魅力的なお茶会に参加しました。茶会に参加した一般の方のアンケートに、私が共感した気づきや感想が多くあります。皆さんにも、ぜひ味わっていただきたいと思うので何名かの感想を紹介します。
「自分の好みの茶碗でいただけるというのがまず楽しかったです。そして、選んだ理由や感想をお互いに聞き、共有できたことも興味深く、人数分のお茶碗を楽しんだような気分です。障がいによって使いやすいポイントが違うのも新しい発見でした」
「金沢にはお茶会がとてもたくさんありますがとても新鮮なお茶席でした。茶会で参加した一人一人の感想を聞く機会はあまりないのですが、同じ場を共有しているもの同士で共有するのはとても楽しいと思いました」
「使わせていただいたお茶碗が本当にかわいくて家に連れて帰りたかったです」
「直観で頭でっかちに考えず、かわいいと思ったものを選ぶほうが後味が良く、満足感が高いとわかりました」
「それぞれの器を選んだ理由をシェアしたときに心で感じたこと、体で感じたことがあり、障がいを持つ方とそうでない方とで感じることが違うことを知りました。また、同じように感じていることなど、どちらが正しいということでなく、視点の違いでもあり、心で感じることに正解はないと思います。ともに生きるとは違いを知り、ともに感じていくことであるのだと感じました」
「とても良い空気が流れる場でした。下手なシンポジウムよりとても響くと思いますので、ゆっくりと大切にこのイベントを育てていくことに貢献できたらと思います」
本当に一言も無駄がない言葉を皆さん選ばれています。このような言葉を皆さん用意して参加したのではありません。お茶会の時間を通して、こういう言葉が醸し出されたのだと思います。
それでは、お茶会を通して感じたことを、本日参加しているみなさんの立場から気軽に言葉にして、共有してもらいたいと思います。皆さんいかがでしょうか。