そして2019年12月、しいのき迎賓館で第2回〇△□茶会を開催した。この茶会は、ワークショップで制作したお茶碗を全て並べ、その中から、参加者がそれぞれ茶碗を一つ選び、それで抹茶を点ててもらい、お菓子とともにいただくというものだ。さらに、ひとりひとりが、なぜその茶碗を選んだのかといった対話をする立礼式(注2)の茶会である。
茶碗を選ぶ際、ほとんどの方が、全ての茶碗を触って決めていた。持った瞬間に、直観的に決める人もいれば、じっくり選んでいる人もいた。
以下、茶碗を選んだ理由をアンケートから抜粋
・それぞれ器を選んだ理由を共有したときに、心で感じたこと身体で感じたことがあり、障がいを持つ方とそうでない方と感じることの違い。また、どちらが正しいということではなく視点の違いでもあり、心で感じることに違いはないようにも思います。ともに生きるとは違いを知りともに感じていくことであるのだと感じました。
・器の持ちやすさ、飲み易さなど、選ぶポイントは人にとって千差万別なのだと改めて感じました。まさにユニバーサルなのだと思います。
選ぶ側の心の内側と、作る側のそこに入れている大事な思いを、みんなが口に出して話し、お互いに聞いている、という不思議な状況がこの茶会の中で起こった。茶碗制作ワークショップから、器をみんなで作ってきたのだが、それだけでなく、「対話」を通じてなにか大事なものを作りあげた茶会となった。