私たちは、地域の生活文化に根ざしたユニバーサルな生活情景を探り・つくる営みとして、一昨年の秋「◯△□茶会」*を鈴木大拙記念館にて開催いたしました。「異なる人間同士が互いの存在に向かい合い、そこから新たな開かれた可能性を探る…例えば、手指機能や座位のデリケートな客が、また、視覚が弱く、触覚や聴覚の繊細な客が、さりげない所作で自然に茶会に参加する…そういう生活情景を実現したい。」この思いは、鈴木大拙が、禅画「○△□」をthe Universと訳し西洋に紹介した精神に通底しています。
この営みは、金沢美術工芸大学工芸科教授の池田さんの参画により、茶会で用いる器づくりを参加者自らがつくるという試みがなされたことで、茶会におけるユニバーサルな人間関係が一層ダイナミックなものとなりました。
「器作りから茶会まで」人と人、人と器、人と土、土と釉薬と炎、茶の文化や歴史、私たちが体感した、そして予感する豊かで確かな生活情景をより多くの皆さまと共有できることを心から念じています。
第二回「◯△□茶会」、ぜひ足をお運びくださるよう…。
*「金沢21世紀工芸祭」金沢みらい茶会の催しの一つとして企画・運営
一般社団法人ユニバーサルデザインいしかわ理事長
荒井 利春